売上は店舗で作り出すもの、利益は工場で作り出すもの

今回も数字のお話です。

[利益=売上-経費]

売上を上げましょう、経費を少なくしましょう。

当たり前ですね。これは、誰でも分かっている事です。

ホームクリーニング業の場合、最も大きな経費は、やはり『人件費』です。

『人件費』を適正な数値に近づける事が利益の確保につながります。

目標数値は…

工場人件費率 15%(ユニット店の場合20%)

店舗人件費率 20%(ユニット店の場合10%)   が目安です。

今回は、工場の話、ワイシャツとズボンの生産性について少し考えてみることにします。

まずは、目標数値(ちょっと控え目かもしれませんが…)

ワイシャツの人時生産性  50枚/時

ズボンの人時生産性    40本/時

例えば…年商1,800万円のユニット店
(25日/月稼働 スタッフの平均時給950円)

ワイシャツの単価 120円、ズボンの単価 450円 と仮定します。

1時間当たりの生産高(売上)

ワイシャツの生産高(売上) 120円×50枚=6,000円 人件費率 950円÷6,000円≒15.83%

ズボンの生産高(売上) 450円×40本=18,000円 人件費率 950円÷18,000円≒5.28%

※人事生産性の目安は1時間1人あたりの生産高(売上)が、6,000円以上が目安です。

上の事例でみると、ワイシャツの人件費率は、15%を超えてしまっています。

逆に、ズボンはどうでしょうか?

ワイシャツに比べ、ズボンはの平均入荷点数は1/3程度ですが、収益は3倍!となり、

最も利益が確保できるアイテムです。

ワイシャツをクリーニングに出される方は、必ずズボンも出します。

商品構成比率でいうと、ワイシャツが1位、ズボンが2位です。
(ズボンの商品構成比率は15%が目安です。)

しかし、ワイシャツに比べると、ズボンをクリーニングに出す頻度はかなり少ない。

実際に、どのくらいの割合なのかPOSレジで確認してみてください。

ココをもっと掘り起こす事で、お客様の利用頻度は増え、売上は確実に上がっていきます。

衝撃の事実!(石井文泉堂さんのブログの記事です。)

https://bunsendo.net/blog/?p=3376
(※ポスターの特価販売は終了しております。)

如何でしょうか?ズボンって意外と、っていうか全然クリーニングに出ていない!

『ズボン3回履いたらクリーニング』

こういう地道な活動が大切なのではないかと思います。

安くしたからと言って、継続的に需要が増えることは無いと思います。

やはり『習慣付け』が大切だと思います。

これからは、人件費がもっと上がっていきます。

もっと、生産性を上げないと、利益が出難くなる。

時間当たりの生産点数をもっと上げなくては!

ただし、自社の品質基準が維持できる適正な数値を知らないと、ダメです。

人間が1時間当たりに仕上げられる点数には限界があります。

ただ点数を上げれば良いということではありません。

人件費率が下がっても、品質低下を招いては本末転倒です。

お客様が離れていってしまっては意味がありません。

生産高(売上)=1点単価×処理点数という掛け算ですので、

点数ばかりではなくて、単価が上がれば、人件費率が下がり、収益がUPします。

上の公式、本来はこうなるべきではないでしょうか?!

生産高(売上)= 1点単価×処理点数+品質

これからは、少しずつ、単価を上げていかなくては経営を維持出来ません。

それには、品質UPとそれをお客様に如何に伝えるか、が最も大切です。

品質の話はまた今度、生産性の話の戻ります。

まずは、ワイシャツ、スボンの生産性をチェックする。

1時間当たりの生産性をキチンと把握しておくことで工場内にリズムができ、

工場全体が締まる様になります。『ムダ』が無くなります。

スタッフに『ムリ』をさせずに、一定の生産性をキープさせる為には

機械の定期的な更新は必要な投資と考えられるべきです。

洗浄に関する機械よりも、仕上げ機にはもっと細かいところまでチェックして、

導入する機種を決めるべきではないでしょうか?

生産性に繋がる機器ですから、自社にとって適切な機器の更新をすることが利益に直結します。

ついでに言うと、新しい機械はやはり仕上がりも良くなるはずです。

一昔前の機械に比べると、新しい機械は、衣類の素材やデザインの多様化に対応の幅が広がっております。

機械で仕上がれば、常に均一な仕上がりになり、品質の『ムラ』が少なくなります。

この【ムダ・ムリ・ムラ】の排除が、生産性向上と品質向上につながる、あの【トヨタ生産方式】を支える柱のひとつです。

そして、売上を上げるため最も大切な要素である『納期を守る』為には、

工場内の生産性を一定にすることが必要不可欠です。

今一度、自社の生産性をチェックしてみましょう!

【売上は店舗で作り出すもの、利益は工場で作り出すもの】ですから!

今回も長くなってしまいました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

皆様の経営に少しでもお役に立てれば幸いです。

株式会社宮商 代表取締役 宮川武士

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