3月に入り、気温も上昇し、少しずつ春めいて来ました。
もうすぐ繁忙期ですね。
いろいろなイベント企画、販促を予定されていると思いますが、
その前に、まずは【溶剤管理】を徹底して、お客様お迎えしなくてはいけません。
春の繁忙期というのは、1年の中で、自店のほとんどのお客様がクリーニングを利用していただく時期です。
ですから、この時期の洗い上がり、仕上がりの品質がとても重要だと思います。
【溶剤管理】とは…?
「溶剤をキレイにしておくこと」 ですね。
それじゃ具体的に、溶剤をどのように管理したら良いのか分かりますか?
先日、埼玉県クリーニング組合主催による技術講習会に参加して来ました。
パステルクリーニング・桑原先生の溶剤管理の講習会です。
桑原先生によると、
正しいドライクリーニングをするためには、
以下の6項目の管理をキッチリ行う必要があります。
これは、ひとつでも欠けてはいけません。
① 液色管理:溶剤の色は、透明または清酒色
液色管理とはドライクリーニングを行う溶剤をいつも透明に管理すること
② 液温管理:溶剤の温度は、25~27℃
液温管理とは、1年中同じ温度を維持すること。
③ 液流管理:ゴミを取って、ゴミの詰まり具合を管理
液流管理とは、ドライクリーニングを行うときの溶剤の流れる量を管理すること
④ 濃度管理:ソープ(洗剤)濃度を、一定に管理
濃度管理とは、ドライクリーニングを行うときの溶剤の洗剤量の管理をすること
⑤ 酸価管理:酸価=汚れの数値は0~0.3
酸価管理とは、ドライ溶剤の中の汚れの量を試薬などを使って管理すること
⑥ 水分管理:水分管理とは、溶剤の中の水分(湿度)を管理
水分管理とは、ドライクリーニングを行う時の溶剤の中の水分を管理すること
溶剤管理をきちんとしていくことで、汚れ落ちが良くなり、再洗いが減る。シミ抜きが減る。
シワのない仕上がりになり、プレスが楽になる。汚れの逆汚染がないので、さらっと軽く仕上がり、
イヤな臭いも無い。乾燥も早くなる。
品質アップと生産性アップの両方が実現できます。
ですから、春の繁忙期は沢山の入荷があるので、仕事の能率を上げるためにも、
溶剤管理は必須条件なのです。
沢山入荷して、工場が口いっぱいになっても、手間が掛かって生産コストが高くついてしまっては全く意味がありません。
工場での利益が出ません。
「忙しい思いをした割に、お金が残らない。」なんてことがないように生産性を意識しながら工場を運営していきましょう。
工場の人時生産性は最低でも 6,000~7,000円/人 以上を目指しましょう。
溶剤管理をきちんと実施するためには、手間と費用が伴います。
フィルターを一定のサイクルで交換する、あるいは蒸留する、抱水力のあるソープをきちんと使う。
場合によっては、1年あるいは半年に1度、ベースタンクの溶剤を交換する。
しかし、溶剤管理を怠ったばかりに、顧客の信用を失うことのほうが、お店にとってはもっと深刻な損失となると思いませんか?
溶剤管理を怠ったまま営業を続けることは、賞味期限切れの食品を提供することと一緒です。
法律違反ではないですが、お客様の信頼を失うことになります。
溶剤管理を徹底することは、顧客の信頼を得られ、売上および収益向上、工場の生産性向上に繋がり、
結果、コストダウンにつながります。
これは紛れもない事実です。
厳しい環境の中、迷った時は、足元を固める、基本に立ち返る事が大切です。
プロのクリーニング業として、ドライクリーニングの重要性をもっと意識して下さい。
家庭では出来ない洗い、それが【ドライクリーニング】です。
ウェットクリーニング、汗抜き洗いも必要ですが、【ドライクリーニング】での洗いの幅をもっと広げましょう。
水で洗うより、【ドライクリーニング】の方が型崩れしにくく、素材のダメージも少なく衣類は何倍も長持ちします。
今の業界は【ドライクリーニング】のマイナスイメージを自分たちで作り上げてしまっているような気がします。
もっと、【ドライクリーニング】の良いところ、プラスイメージを消費者に伝えませんか?
【ドライクリーニング】は我々クリーニング業者しか使えないのですから。
キチンと襟元を正して、今年の春を迎えましょう。
きっと良い結果が出ますよ。(^^)v
さあ、一番の稼ぎ時です。皆さん、頑張りましょう。