夏だからこそ溶剤管理を

夏になると湿度が上がり溶剤の中の水分が増えることで、異臭が発生することがあります。

溶剤の汚れは色だけではありません。

水分過多、脂肪酸によるクリーニングトラブルが増えています。

水分過多によるトラブル・・・縮み・色泣き・輪じみなど

遊離脂肪酸によるトラブル・・・悪臭・黄変・カビ発生など

『クリーニングに出したんだけれど、戻ってきた衣類が臭う。』 『しまっていた衣類が黄ばんだ(カビが生えた)。』 などと言われないように溶剤管理を徹底しましょう。

水分に関しては乳化するほどであれば分かりますが、そこまでひどい状態になることは滅多にないので見過ごしていることが多いかと思います。

脂肪酸についても、酸価を測る簡易的な試薬で定期的に測定し、早目にフィルター交換をすることが大切です。

フィルターを交換しても色は取れるが、水分と酸価が下がらないことがあるかと思います。(フィルターを長く使いすぎると、交換しても過剰に汚れがついているため、すぐにフィルターの効果が無くなってしまうことがありますのでご注意ください。)

しかし、適正なタイミングで交換しているにのにも関わらず、酸価値が高いままであれば、フィルターの中身について、メーカーさんに確認された方がよいかと思います。一般的なフィルターには活性炭に脱酸・脱水剤として活性アルミナやシリカゲル、アロフェン(膠質土)などが配合されていると思います。ただ、それらの成分がどの程度配合されているかが重要です。

1.脱色・脱臭剤には、活性炭(石炭・木材原料・椰子殻と主に3種類あります。石炭は持続性があり、木材・椰子殻活性炭は即効性があります。)

2.脱酸剤には、活性アルミナ・アロフェン(膠質土)など

3.脱水剤には、シリカゲル・アロフェン(膠質土)など

4.もちろんろ紙の性能も大切です。最近は紙ではなくて、不織布製のものもあり、水分による膨潤を抑え、ろ紙の目詰まりが少なくなるので安定した性能が保てます。

このほかにも吸着剤はいろいろありますが、とにかくドライクリーニング中に衣類から出てくる汚れに適した吸着剤の選定と配合がポイントになります。

ここで、弊社のオリジナルフィルターの 【MICS-470A、MICS-340A】 に配合されている吸着剤の特長をご紹介します。

①脱水・脱酸剤として最も効果的な天然アロフェンを原料として、活性炭を練り込んで顆粒状に精製しているので溶剤の流れ、圧力損失が一定です。

②アロフェンの力で溶剤中の脂肪酸、余分な水分、臭いを強力に除去し、活性炭で色素を素早く取り除きます。

③その平均細孔は40〜50Å(オングストローム)※で、1gあたりの表面積は300〜330㎡(テニスコート一面ほど)もあり、そこに溶剤中の汚れ成分を吸着します。特に水に対する親和力が大きい。

※Å(オングストローム)とは、長さの単位で、100億分の1メートル(10-10m)、すなわち0.1nm(ナノメートル)を表す単位のことである。

④アロフェンは溶剤メーカー、OA機器メーカー、医薬品メーカー、IT産業など様々な分野で使用されており、その吸着特性は高く評価されています。

ぜひ、一度使ってみて、その違いをご確認ください。自信を持っておすすめします。